片手バックハンドストロークにおける身体の各部位の役割と使い方

<片手バックハンドストロークにおける身体の各部位の役割と使い方>

頭の役割:身体の軸を保つ。目線を安定させる。

スイングに力が入りすぎると、フレームショットになりやすい。これはヘッドアップと上体の回転が原因になっている場合が多い。



右手親指の役割

・ラケットの握り方をピストルの引き金を引くような感じで広くし、親指をラケットのグリップ面にあてておきます。これをサムアップといいます。サムアップでグリップを安定させよう。
・ショットを安定させるためには、打ちたい方向に親指の腹で押してやる感じで打とう。
・親指をグリップに斜めに当てるように握りますが、その親指を押していくようにしてラケットを振り上げていくようにします。



バックハンドにおける右肩の役割:スイングする。スイングの支点になる。

・右肩を、あごの下まで入れてラケットを引き上げる。
・腕はテイクバック時の状態で、肩を支点に腕を振り子のようにスイングする。
・スイングは、右肩を支点にして真っ直ぐに高く振り出す。バックスイングのとき、右肩を低く大きくひねり込む。そして、右肩を高く振り上げてスイングする。この肩の上下動をめいっぱいスイングに取り入れる。
・フォロースルーで、肘が曲がって前に出てしまったり、手首が返ったりしない、肩を支点にしたスイングを意識しよう



バックハンドにおける右腕の役割:スイングする

・テイクバックで、ラケット面を安定させるためには、伸ばした腕を体に密着させてラケットを引く。
・ラケットを引いた腕が上体に密着して固定する。
・右腕を、ラケットヘッドがひざの下を通るような低いスイング軌道から振り上げていく。
・腕はテイクバック時の状態で、肩を支点に腕を振り子のようにスイングする。
・インパクトのあと、ラケット面はボールのあとを追うように振りますが、右腕をめいっぱいに伸ばして振り切ります。
・ボールを打ったら、腕全体でボールを前に押し出していく。



バックハンドにおける右肘の役割:スイングする

・テイクバックで、右肘は軽く伸びている。
・スイングは、右肘は伸ばしたままヒッティングゾーンを振り切る。
・振り出しは右肘を伸ばし、大きな振り子運動をイメージする。
・インパクトで、右肘が軽く伸びて、身体は開かない状態になります。
・ヒジとグリップは柔軟に、しかし固定して、腰のバネで打球方向に突き出すな感じで打つ。
・フォロースルーで、肘が曲がって前に出てしまったり、手首が返ったりしない、肩を支点にしたスイングを意識しよう。



バックハンドにおける右手首の役割:スイングする。コントロールする。

・テイクバックからフォワードスイングでも手首の角度は変えない。
・バックハンドは、インパクトで手首が小指側にゆるんだり、外に向けて手首を返してしまいやすく、スムーズな軌道を描けないことが多いが、長くボールを追いかけるスイングを意識しよう。
・フィニッシュに移っても、手首の形はボールを打った形のまま残しておきます。
・フォロースルーで、肘が曲がって前に出てしまったり、手首が返ったりしない、肩を支点にしたスイングを意識しよう



バックハンドにおける右手(手のひら)の役割:ラケットと身体を一体にさせる。インパクトで、ボールとラケットと身体を一体にさせる。

・右手をにぎりこぶしにして、部屋の壁をバックハンドでたたいてみて、そのときに、いちばん力が入る位置、だいたい右肩の20〜50センチ前方の位置になり、この位置がバックハンドの打点になります。したがって、このときの身体の開き具合、右肘、脇の状態をよくおぼえておいてください。
・ステップインと同時に、45度にひねっていた身体をもとに戻します。そして、この時点で左手のラケットを右手に持ち替えて、右手は前方へ、左手は後方へと、対照的に開いていきます。
・手の甲でボールをはじきとばす感覚で打つ。手の甲で物を払う感覚でスイングしよう。
・ヒジとグリップは柔軟に、しかし固定して、腰のバネで打球方向に突き出すな感じで打つ。



バックハンドにおける左手(手のひら)の役割:グリップチェンジを補助する。ボールとの距離感をつかむ。スイング中バランスを保つ。身体の開きすぎを押さえる。

・タオルを絞るようにグリップチェンジする。左手でラケットを右に回転し、右手首を左にひねる
・ラケットを握る右手の力をむいて、スローとを握っている左手でラケットを引くようにします。そうすると、右手のグリップの形は、自然にサムアップのバックハンドのグリップになります。左手を引く要領は、左手のフォアハンドの引き方と思えばいいでしょう。
・テイクバックで、ラケットは、まだ左手で持っていますが、添えている感じの右手のひじは身体の中心までもってくるようにします。このときのラケット面は、トップスピンを打つ場合は、やや下向きの状態になります。
・ラケットはフォアハンドのときと同じようにストレートバックで左腰のところまで素早く引くと同時に、ラケットフェイスの向きも、左手を使って決めてしまい、ボールを打つ準備を完了させてしまおう。
・テイクバックからフォワードスイングにかけて、左手でラケット面を安定させること。
・ステップインと同時に、45度にひねっていた身体をもとに戻します。そして、この時点で左手のラケットを右手に持ち替えて、右手は前方へ、左手は後方へと、対照的に開いていきます。
・ラケットを支えていた左手は、フォワードスイングと同時に、ラケットから離し、胸を張るように伸ばしていく。
・フォロースルーで右腕をいっぱいに伸ばしたときの左手の位置は、ボールが飛んだ方向と正反対の方向へ伸ばします。
・フォロースルーで、ラケットヘッドにスピードが十分に伝わるように、左手は後ろにさらに伸ばそう。背後の壁を手のひらで押すイメージでストロークしよう。
・フォロースルーで、胸を開くように左手を後ろに伸ばしてスイングすると、ラケットヘッドのスピードが上がりスピンがよくかかるだろう。



バックハンドにおける胸の役割:スイングスピードを上げる。

・ラケットを支えていた左手は、フォワードスイングと同時に、ラケットから離し、胸を張るように伸ばしていく。



バックハンドにおける右足の役割:バックハンドの軸足になる。スイングで重要な役割を担う。

・テイクバックの姿勢からボールに右足のかかとから踏み込んでいき、スイングを始める
・フォワードスイングに入るためにステップインしますが、まず右足を1歩踏み出して、左足にかかっていた体重を右足に移し始めます。
・インパクトでは、体重は右足に完全にかかる。
・左ひざを前へ送りながら右足へ体重を移動させていくが、このとき、右肩がボールに突っ込みすぎて、上体が前に倒れないように注意する。
・上体は、ネットに対して横向きをキープし、右足を軸にしてスイングする。
・右軸足をしっかりと決めて、体の軸がスイングにブレないこと。
・右足の踏み込みと同時に左ひざを入れ、ボールの下にすべり込ませ、左ひざを十分に曲げて送り出す。
・フィニッシュは、右足は伸び、左足はつま先立ちになり、背筋はピンと伸ばした状態になります。



バックハンドにおける左足の役割:スイングの起点になる。体重移動の軸足になる。打点を決める。身体を支える。ボールをコントロールする。打点を微調整する。踏み込む足としての役割。

・ボールが飛んできたら、左足(軸足)をネットと平行になるように踏み込み、軽くラケットを支えるように添えていた左手で、体全体の動きをリードするように上体をユニットターンさせる。
・テイクバックで、左足に体重をかけ、左ひざを軽く曲げて十分に力をためておきます。
・フォワードスイングに入るためにステップインしますが、まず右足を1歩踏み出して、左足にかかっていた体重を右足に移し始めます。
・フィニッシュは、右足は伸び、左足はつま先立ちになり、背筋はピンと伸ばした状態になります。
・左軸足の位置はスイングが終わるまで変わらない。



バックハンドにおけるカカトの役割:スイングを助ける。

テイクバックの姿勢からボールに右足のかかとから踏み込んでいき、スイングを始める。



バックハンドにおける腰の役割:スイングする。

・スイングでは腰の回転を使う。くるっと回す動きではなく、左足から右足へ体重移動した結果、自然に回転する。
・クローズドスタンスをとり、バックスイングのとき上体をひねり込み、十分に巻いたバネを解きほぐすように、腰を軸とする体重移動と回転で打つ。
・腰を軸とした移動と回転で打つ
・ヒジとグリップは柔軟に、しかし固定して、腰のバネで打球方向に突き出すな感じで打つ。



バックハンドにおける背筋の役割:スイングを安定させる。

・フィニッシュは、右足は伸び、左足はつま先立ちになり、背筋はピンと伸ばした状態になります。
・背中越しにボールを見る。



バックハンドにおける膝の役割

・バックハンドのスピンでは、ラケットバック(バックスイング)のときの低いひざの曲げ込みと、その後のスイングのときに用いる伸び上がる上方移動との上下動をうまくマッチさせることが大事。



バックハンドにおける左膝の役割:打点の調整。スウィングの振り出し。

・テイクバックで、左足に体重をかけ、左ひざを軽く曲げて十分に力をためておきます。
・テイクバックが終了した時点では、右肩越しにボールを見られるように、左足のひざを柔らかくして、ボールの高さに体勢を合わせておく。
・左ひざを曲げてボールの高さに合わせて、上体をまっすぐに安定させること
・左ひざを前へ送りながら右足へ体重を移動させていくが、このとき、右肩がボールに突っ込みすぎて、上体が前に倒れないように注意する。
・右足の踏み込みと同時に左ひざを入れ、ボールの下にすべり込ませ、左ひざを十分に曲げて送り出す



バックハンドにおける身体のひねり

・ステップインと同時に、45度にひねっていた身体をもとに戻します。そして、この時点で左手のラケットを右手に持ち替えて、右手は前方へ、左手は後方へと、対照的に開いていきます。
・ボールにパワーをつけられるようになったら、テイクバックに上体のひねりを加える。



バックハンドにおける身体の軸

・左ひざを曲げてボールの高さに合わせて、上体をまっすぐに安定させること
・ボールを追いかけているときは、頭と腰までの上体の軸を保つこと。



両肩

両肩を結ぶ線は最初テイクバックのときの左前方45度の角度から、右前方15度の角度までコート面と平行になるように移動します。
インパクトでは、両肩の線は打球方向に対して平行になる。このとき身体が開かないように注意する。



身体の開き

・上体を横向きのまま振り抜けばストレートへ、上体の開きを入れたスイングをすればクロスへと、打球方向をコントロールできる。